こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「イングロリアス・バスターズ」 Inglorious Basters

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2009年アメリカ作品
監督・脚本・製作:クエンティン・タランティーノ
撮影監督:ロバート・リチャードソン
出演:ブラッド・ピットメラニー・ロランクリストフ・ヴァルツイーライ・ロス
   ミヒャエル・ファスベンダーダイアン・クルーガー

映画監督は作家と同じで、独特の世界を持っている人が多いですが、タランティーノ
His Own Worldも、ぶちぬけていっちゃってますよねえ。グロいし、現実や歴史背景なんて
突き抜けている。かなりの映画オタクで、映画を愛していることは間違いない。

彼のオタク世界の入り口は、基本はB級映画テイストなんですが、中に入ると広くて深い
迷宮のようでもあります。色々な映画へのオマージュと、そこかにおう彼自身の匂い。
香港映画のアクションシーンそのままかっと思いきや、あやしい日本に梶芽衣子
どこまでいくかと思ったら、今回はマカロニ・ウエスタン調の戦争映画。おまけに
戦争映画やら戦前の映画やらのトリビュート満載、おまけにアメリカ人の自虐的ギャグあり
の映画なのでした。

舞台は第二次世界大戦末期のフランス。ナチに家族を殺された少女と、連合軍の
極秘部隊“イングロリアス・バスターズ”。彼らが追うもの狙うものが、一夜の
ドイツ軍のプロパガンダ映画のプレミアショーに集結。運命の一夜が始まります。
タランティーノにとっては、歴史的事実より重要なのは、“映画が勝つ”ことなのだと
思います。

彼の映画は、好き嫌いが分かれるとは思います。その好き勝手な世界が多くの人に支持され、
俳優さんたちからも支持されるのは、彼の映画愛ゆえなのかなあと思います。私も、見ずには
いられない。彼の世界が妙にハマる時があるから。

さすがに戦前の映画やマカロニ・ウエスタン映画のトリビュートはさっぱりわかりませんでしたが、
「グッバイ・レーニン」のダニエル・ブリュールとか、「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」の
ティル・シュヴァイガーとか、ドイツ映画の若手俳優の出演がうれしい。

ハンス・ランダ大佐役のオーストリア出身の俳優、クリストフ・ファルツ。とっても知的な
俳優さんなのではと思いますが、この冷酷で滑稽なクレイジーな役が強烈にはまっています。

下品な南部なまりとヘン顔のブラッド・ピット。この顔は、作っているのか、かれも
おじさんになったということなのか、どっちでしょう。

ドイツ人女優役のダイアン・クルーガーイングリッド・バーグマンを彷彿とさせるような
知的なゴージャスさですが、なんだかやはりどこか滑稽。復讐を計画するショシャナ役
メラニー・ロラン、彼女も真っ赤なドレスを着るととっても美しい。デビッド・ボウイが歌う
キャット・ピープル”と彼女のルージュが印象的。