東京フィルメックス映画祭では、毎年欠かせないジョニー・トー監督作品。今年も
2006年話題作「放・逐」の上映がありました。
来日はありませんでしたが、コメントの紹介がありました。監督は「エレクション（黒社会）1」
と「黒社会２」の撮影に長く掛かり、この映画を撮るという“休暇”が必要だったという
ことです。映画を撮ることが仕事でもあり休暇でもあるんですねー。すごい。枯渇しない
泉のような監督に脱帽です。
確かに前作2本に比べれば肩の力がぬけて、俳優さんたちも楽しんでやっている感じ。
でも、映像も脚本も、手抜きのない、ダークサイドのジョニー・トー色たっぷりの内容。
飽きることはありません。
そして、見ものは濃いけどステキな香港の“チョイ悪オヤジ”俳優たち。アンソニー・ウォン、
ン・ジャンユー、ロイ・チョン、ラム・シューといった、傑作「ザ・ミッション」の
面子が勢ぞろい。またもや暗殺請負人として登場しますが、「ザ・ミッション」の話とは
つながりはありません。彼らは日本人でも知ってるっていうレベルの俳優さんたちでは
ありませんが、存在感も演技も抜群です。
4人に比べてちょいと若手のニック・チョンは、同級生（？）にされるにはちょっと
かわいそうかもしれませんが、最近すっかりくせのある演技派になったと思います。
もうひとりのおじさん、サイモン・ヤムは、今回はいつもの役どころ黒社会の親分ですが、
ちょっと痛々しい役でもあります。何でもやりますねえ。
それからおまけにリッチー・レンが途中出場。彼も、「ブレーキング・ニュース」で
トー・ファミリーに仲間入りですね。
それにしても、“濃いー”男の世界。来年日本でも、公開予定です。内容は、劇場でじっくり見てね。
