油麻地の西側にて その1
油麻地の西側に行くと、まだ健在かどうか確認したくなる場所が何箇所かあります。
油麻地警署。1893年落成の、三級歴史建築にも指定されているたてものです。
こんな風情のある建物なので、よく映画のシーンにも登場します。
警察署なので、お世話になることは、滞在中とんでもないことでも起きない限り
ないと思いますが、一度中を見てみたいなどと思ってしまいます。
そしてこちら。油麻地果欄。
ここも、戦前からある一角で、なんだかいつぐずれ落ちてもおかしくないような建物は
香港の中心的な生果市場です。長沙湾に新市場が出来た今でも、朝の4:00~6:00に
セリが行われているようで、昼間は意外とひっそりしています。
香港における水果(果物)の流通過程は複雑なようで、よく警察が黒社会の活動が
ないかどうか、調査にはいったりしているそうです。そんなこともあってか、
ここも香港映画のロケ地によくなっているところです。
ここにに来るとウォン・カーワイ監督の「今すぐ抱きしめたい」(旺角卡門)を思い出します。
次は隣接の油麻地戯院。1925年に建造され、粤劇(広東地方の伝統劇)を上演しておりましたが
今は閉館しているようです。
このあたり、移転の決まらない市場以外は再開発になり、粤劇の上演施設などができるようですが
どのような姿になるのでしょうか。
市場から、ちょっと南に移ります。
香港の映画は娯楽路線が多く、最近のシネコンではどこへ行っても同じような
香港やハリウッド映画をやっているところが多いですが、1996年成立の百老匯電影中心は
ちょっと主流から外れた映画や外国作品を上映しています。
フランス映画を上映中でした。
ここの1階にある、カフェ併設の本屋さんは、香港にはめずらしくモダンアート系&サブカル系の品ぞろえ。
洋の東西、言語の区別なく、様々なジャンルの本が積み上げらてていて、端から見ていくと本当に興味深い
です。Bunkamuraの地下の本屋さんに、ポップなインディーズ系の色合いを強めた感じ、かなあ。
商売になるかどうかがが重要で、古いものも新しいものすぐに変わってしまう香港の社会の中で、
こういう映画館や本屋さんが10年以上も営業を続けていることに、一安心。
しばらく本屋さんで過ごして涼をとった後、またテクテク別の道へ、何かを確認に歩いていく私でした。