こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「ショート・ターム」Short Term 12


11.15公開『ショート・ターム』予告編

監督・脚本:デスティン・クレットン
出演:ブリー・ラーソン、ジョン・ギャラガー・Jr、ケイトリン・デヴァー
   ラミ・マレック、キース・スタンフィールド

最近ほとんど試写会ネタを書いていませんでした。以前ほどではないけど
ポツポツ見ているんですけどね。先週見たこの映画、なかなか秀逸なので
紹介します。

原題にあるShort Term 12というのは、10代の子供をケアする短期保護施設。
様々な問題を抱えた子供たちが施設で暮らしています。子供たちが抱えるのは
虐待、ネグレクト、いじめなど、いまの日本でも十分ありえる問題。

子供たちのケアをしている20代のグレース。同僚の彼メイソンとの子供を
妊娠して幸せな将来を描くことができるように見えるが、彼女もまた
誰にも言えない闇を抱えている。そんな彼女の心を、子供たちが開いていく。

絶望しながらも、向かい合っていかなければならない現実。
本当なら、親や社会に保護され幸せに暮らしているはずのときに
救いようもないような孤独や恐怖を経験した子供たち。
でも、そんな彼らだからこそ、分かることがあるのです。

暗くて重い主題だけれども希望があり、取ってつけたような感動を
押し付ける映画でもない。こんな自然体で、愛のある映画になったのは、
監督と俳優さんたちの力なんだと思います。

グレイスを演じたブリー・ラーソン、まだ23歳の女優さんですが
変にオーバーアクションなところがないのに、内の感情がにじみ出る
演技ができるのです。すごい。

ディスティン・クレットン監督、実は見に行った試写会に登場しました。
ハワイ生まれの彼の祖父母は日本人で、日本食が大好きなんだそうな。
司会者からふられた話はそんな話がメインで、映画については
細かいことは聞けませんでした。でも、この映画のテーマは
"Love Story" とおっしゃってました。それは、ただ男の子と女の子の
間のあいだけではない、いろんな愛。そう、人間は一人で生きているわけでは
ないのだなあ。

ちなみに、アメリカの有名レビューサイトRotten Tomatoesで
満足度99%。2013年SXSW映画祭でワールドプレミアをして以来、
世界中で30もの賞を受賞しているそうです。

派手なところはありませんが、是非。