2020 第33回東京国際映画祭
今年は、数々のイベントが中止やオンライン開催となる中、東京国際映画祭はリアル上映で開催されました。
しかし、海外からの審査員やゲストの多くが来日できない状況の中、従来のコンペに代わり、観客賞1作品のみの表彰ということになりました。
今回は、ワールドフォーカス部門でアン・ホイ監督の新作「第一炉香」が上映されました。アイリーン・チャン原作、衣装ワダエミ、音楽坂本龍一、そして撮影クリストファー・ドイルという、想像するだけでも美しい映像が期待できる作品ですが、チケット取れず。
連動開催となった東京Filmexでは、アン・ホイ、ジョニー・トー、ツイ・ハーク、サモ・ハン、ユエン・ウーピン、リンゴ・ラム、パトリック・タムによるオムニバス「七人楽隊」がありましたが、こちらも出遅れて見れず仕舞いでした。
台湾電影ルネッサンス2020という企画があり、台湾映画が4作。そのなかの「弱くて強い女たち」も、みたかったなあ。
コロナ禍の中、ますます寂しい感じの映画祭でしたが初日は10/31、HALLOWEENのBLUE MOONでした。
この日見たのは「Little Girl」(2020年 監督:セバスチャン・リフシッツ)というフランスのドキュメンタリー映画。性同一性障害障害の7歳の子供と家族が、学校や周囲に受け入れられるために闘っていく様を記録したものでした。
あの歳で自分が女性であることを自覚し、絶対そのようにありたいと願う子供の意思があり、そこまでくるにはたくさんの葛藤があったはずですが、両親も姉も兄弟も女の子としての彼女を受け入れています。
やがて、彼女が成長していく過程で、乗り越えていかなければいけない精神的・肉体的苦痛やハードル、いずれにしても厳しい人生が待っています。でも、羽をつけて踊る彼女は本当に天使のようです。
映画は、また一つ、世界のあり方をみせてくれました。