「マッキー」 Makkhi
2013年 インド作品
監督・脚本 : S. S. ラージャマウリ
出演 : ハエ(ナーニ)、スディーブ、サマンサ
このところ、試写会生活復活。何本か見た中で、出色の一本。何しろ、主役がハエなんですから。
マッキーとは、ハエっていう意味だそうです。でも、ハリウッド映画の「フライ」のような、
ハエ男とかいう話ではありませんよ。それはさすがにアジアな世界。不運にも殺された若者がが
ハエに生まれ変わってしまうという、輪廻転生の物語。
2年もビンドウに片思いをしているジャニ。やっと彼女の上手く行きかけたのに、悪徳企業家で女好きの
スディーブが横恋慕して、彼を殺してしまいます。
そこからが、この映画の真骨頂。ハエに生まれ変わったジャニの目線から物語が始まります。
水に飲み込まれそうになったり、クリケットボールに飛ばされたり、色々な危険を潜り抜けながら
前世の自分を思い出す。そして、スディーブに復讐を始めるのです。
人間の喜怒哀楽と、ロマンス・コメディ・アクション・音楽全て含まれる、インド映画定番の形式ですが
主人公はCGのハエ君。でも、彼がカッコよくもあり愛らしい、憎めない奴なんですよねえ。
仕草がかわいい。
ハエに感情移入しちゃうなんて、生まれて初めてかも。彼のユーモアにクスッと笑い、痛快な
復讐に思わず拍手。そして感動の涙も有り。最後にハエも踊ります。
ハエのVFXと実写の見事なマッチもさることながら、そのハエ君と共演している俳優さんたちにも
拍手したいですね~。ハエのうっとうしいの、よくわかるわあ。
何も考えずにするっと楽しめて、125分はちっとも長くありませんでした。