こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

TIFF台湾電影ルネッサンス 「27℃―世界一のパン」 世界第一麥方 27℃ Loaf Rocks

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2013年 台湾作品
監督・プロデューサー:リン・チェンシェン
脚本:リン・チーシアン
出演:リー・クオイー、モン・コンルー、ワン・ツァイファ
   カオ・モンチェ、ホアン・トンファイ
 
今年は、台湾電影ルネッサンス2013として、台湾映画の特集が組まれています。
そのうちの一本。「27℃―世界一のパン」は、パン作りの世界大会で
グランプリを獲った実在の職人、呉寳春をモデルにした青春物語です。
 
屏東出身で貧しい家庭に育ったパオチュンは、進学をやめパン職人になるため
都会に修行に出ます。パン屋で修行中、幼馴染のシンメイに再会。彼女のために
アンパンを作ろうと、懸命に努力します。彼女との巡り合いと別れ。そして
パン作りの師匠となる人や、友達との出会い、母の愛情を受け、修行にはげみ
ついに世界大会に出場するまでになります。
 
Q & Aには、林正盛監督が登場。「浮草人生」(96)「台湾ソリチュード」(98)で
東京国際映画祭ではおなじみの監督ですが、その後の作品はあまり日本では
上映されていないようです。台湾映画の不遇な時代もあってか、今回の作品は
9年ぶりの映画作品となっています。
 
監督は、自分と同じように、地方から出てきた貧しい若者でも
一生懸命やれば道は開けるということを作品を通して伝えたい
ということを語っておりました。かつて、監督も地方から出てきて
10年ほどパン職人をやっていたことがあるそうで、この作品でも
”辞めて映画監督になってやる”とタンカを切るセルフポートレート
ような役をやっております。
 
呉寳春の母親や仕事、修行中に出会う人達については、実話であるという
ことですが、恋愛に絡む話については虚構もあるということでした。
最近は、ネットで人物を探し当てて叩いたりすることがあるので、相手を
守るために特定できないようにしているそうです。でも、企業家の娘との
切ない恋があったのは、真実のようですね~。
 
日本人の師匠は実際4人いたそうですが、一人の方にまとめられています。
一番の師匠は、本当にいい方だったようで、パンを愛する職人のために
国境を越えて惜しみなく技術を伝えてくれたということです。
小林幸子が演じた指南役の人は、実際男性だったようです。
 
パンにしろ、映画にしろ、何にしろ、一筋に頑張ることの大切さ
ホントにシンプルなことですが、あらためて見直させていただきました。
 
パオチュン演じる、リー・クオイーの昭和を感じる素朴で純粋な姿と
美味しそうに焼きあがるパンにも感動ですよ。
 
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映画の最後の歌の訳をみて、笑いました。パンが膨らんで、”林監督みたい”
なんて言ってますよ!