「黒衣の刺客」 刺客 聶隱娘 The Assasin
2015年 台湾・中国・香港・フランス合作
監督:ホウ・シャオシシェン
撮影監督:リー・ビンピン
見てからちょっと時間が経ってしまいました。ホウ・シャオシェン監督
「黒衣の刺客」です。
侯監督の武侠モノ、どんなになるのかと思っていましたが、静けさが美しい作品と
なっておりました。もちろん、剣や動作の立ち回りがあり、スー・チーは
高いところから飛び降りたりしてるのですが、ワイヤー使ってないみたいなんです。
時が止まったような風景描写や長回しで、冒頭はちょっと気が遠くなりそう
でしたが、あまりに美しいカメラワークに目を奪われづづけます。
風が吹く、野山。風にそよぐ御簾。風の中に立つ、スー・チーの立ち姿が
また美しい。
節度使や藩鎮とか、歴史的背景とか、さらには魏博内の各家の勢力的なことは
さらりと説明されているだけでわかりにくいかもしれませんが、行間を読むように
映像の空間を読むとでもいいましょうか、静寂が考える時間を与えてくれます。
原作では鏡磨きというだけで、日本人ではないようです。侯監督が彼を使いたい
理由が何かあったのでしょうか。彼が日本に残した妻を思う回想シーンは
日本上映のために追加された、ディレクターズカットのようです。
撮影地について。外景は台湾・中国で撮影されていますが、日本の寺社の
内外で撮影された部分もかなりあります。エンドクレジット見てみてください。
きっと、その場所が唐の時代の雰囲気を残しているのでありましょう。