社会学的にちゃんと香港事情を解説している本で、とてもわかりやすい。
香港の民主・政治的歴史と、その存在の複雑性が説明されています。
米国フリーダムハウスの「世界の自由」調査によると、香港は「市民的自由」が
ほぼ先進民主主義国並みあるものの、「政治的自由」の評価が低い。
香港には、「民主はないが自由がある」ということになります。
植民地支配の頃から、イギリスの遺産、中国返還から中国化、抵抗など
様々な面から説明されています。
そんなことを考えて香港に行く日本人旅行者は少ないと思いますが
知らないで行くと驚くことも多いようです。
イギリス系のデパートがあったり、イギリスの習慣的なことがあるのは、
植民地時代のの遺産。
経済の自由度が高く、欧米のビジネスマンは相変わらず多い。
バブル以降、日本人ビジネスマンは減ったといえ、日本の製品や
ファッション・文化は人気の的。
重慶大厦のあたりにいるインド人、アフリカ系の人たち。
日曜のセントラルには、フィリピン人がいっぱい。ビクトリア公園から
中国の一部となったということを考えると、いろいろな国の文化がそこにあり
いろいろな人々がそこに生きて生活をしていることに驚きがあるでしょう。
香港の食文化も、そんな複雑な歴史や政治・経済事情を反映しているようです。
香港のフレンチトースト、法蘭西多士。フレンチとはいいながら、卵とバターと
コンデンスミルクとカヤジャム(またはピーナッツバター)たっぷりの
トースト。トーストの上にさえ、いろんな物が混在している。
友達は、なんだかわからないけど、甘くて美味しいと行ってました。
香港事情、もっといろいろ、ちゃんと説明できたらよかったんだけどな。