こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

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BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTURE OF IGNORANCE)

2014年 アメリカ作品
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イリニャトウ

この映画、アカデミー賞4部門(作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞)を獲得して
だいぶ話題になってますね。でも、あまり前情報は入れないで見に行ったほうが
いいと思います。私は前情報入りすぎたかも。

ティム・バートン監督の、バットマン」で一躍ヒーロを演じた
マイケル・キートン自分のキャリアを投影させたか、はたまた
セルフパロディのような、かつてヒーロ映画で有名になった男を演じます。

自分が思い描いたようなキャリアを築けず、家族も崩壊。
若くて才能がある俳優の気まぐれに振り回され、娘の世界が
さっぱり理解できない。過去の栄光が、衰えて行く自分の足を引っ張る。

世の中かから忘れられかけている映画俳優の焦りと悲哀を
描いていますが、それは誰にも訪れる中年期から先のの焦りを
描いたものともいえるでしょう。コメディというカテゴリーでは
ありますが、主人公に思い入れを持てるような年齢の方々には、
身につまされるかもしれません。

ただし、時々別の世界に行ってしまうので、現実と幻想の
分かれ目がわからない。どこか不安定な感じがするのは、監督の
演出のうまさでありましょう。

全編、ワンカットの長回しで撮られているかのようにできた映像が
劇場とその周辺をぐるぐる回る、出口のない迷路のようです。
ホウ・シャオシェン長回しとは全く違う。この感覚は新鮮。
体験してみてください。