バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
2014年 アメリカ作品
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イリニャトウ
撮影:エマニュエル・ルベツキ
だいぶ話題になってますね。でも、あまり前情報は入れないで見に行ったほうが
いいと思います。私は前情報入りすぎたかも。
マイケル・キートン。自分のキャリアを投影させたか、はたまた
自分が思い描いたようなキャリアを築けず、家族も崩壊。
若くて才能がある俳優の気まぐれに振り回され、娘の世界が
さっぱり理解できない。過去の栄光が、衰えて行く自分の足を引っ張る。
世の中かから忘れられかけている映画俳優の焦りと悲哀を
描いていますが、それは誰にも訪れる中年期から先のの焦りを
描いたものともいえるでしょう。コメディというカテゴリーでは
ありますが、主人公に思い入れを持てるような年齢の方々には、
身につまされるかもしれません。
ただし、時々別の世界に行ってしまうので、現実と幻想の
分かれ目がわからない。どこか不安定な感じがするのは、監督の
演出のうまさでありましょう。
全編、ワンカットの長回しで撮られているかのようにできた映像が
劇場とその周辺をぐるぐる回る、出口のない迷路のようです。
体験してみてください。